作文 16 世界平和のために

1 石は真っ黒

ある石が、あった。その石は世界の人々の心によって色が変わった。美しければ赤に、醜ければ黒に変わるのだ。そこの番人は毎日毎日ずっとその石を見つめていた。

そんなある日、いつものように番人が、庭を綺麗にしていると、石が真っ黒になっているのに気がついた。番人は大慌てした。石が後1ミリでも黒ければ、世界は壊れて、元に戻らない。詳しくしらべて見ると、なんと人々は戦争なんて事をしようとしている。呆れて物が言えなくなってしまった。

(これだから人は!)

その番人は急いで、今まで使ったことのない笛を取り出して吹いてみた。すると、とてつもなく綺麗な音が出た。この美しい音を聞くことができるのは、欲を考えずに、世界平和に貢献しようとしている者だけだった。然し、誰も来なかった。それでも番人は諦めなかった。一生懸命、心を込めて吹いた。

(きっと誰か来る。じゃなきゃ、この世界は滅びてしまう)

そのとき、後ろから物音がした。番人は、思わず振り向いた。

2 少年と番人

そこには、少年がいた。番人はどうやって来たのか尋ねた。そして、両親や名前も。少年は、はっきりと答えた。

「僕は、ジェリーク・ストンクロホフという者です。父は酒好きの木こりで、母は病弱でいつも寝ています。あるとき、とても綺麗な音が聞こえて、――然し、父は頭が痛くなるといったのですが――母はこの音を聞くと、僕を呼びつけて、この指輪を持たせて、一直線に音が聞こえる方へと歩かせたんです。兎も角、そういうわけです」

番人はちらりとジェリーク少年を見た。この少年に世界を救えるのか、半信半疑だった。然し、番人も自分の話を始めた。

「私は、ここの番人。ある妖精に仕え、ここにいる」それから番人は石の説明をした。そして、「もし、君が世界平和のことを考えるのだとしたら、私の主、妖精ベルーのもとにいってどうしたら良いか聞いてくれ」といった。

ジェリーク少年は喜んで、妖精のもとに行った。妖精は話を始めた。

3 妖精の話

「昔、私達妖精族はある小人に攫われてしまいました。私は無事逃げられたのですが、仲間等は出来ませんでした。小人は私が逃げたのに激怒して、石を投げつけました。その石が真っ黒になったら世界が壊れるというのです。人の心次第で決まるのです。そして、私は石から離れることは出来ずにいます。あなたには、この笛を渡します。そして、隣の国に行きなさい。そこで、3人の民を集めて笛を吹きなさい。すると、人々はよってきます。それから世界平和の話を七話語ったとき――人類は初めて救われます。話は、笛を持っていたら次から次へとうかびます。貴方はすべてのことをする覚悟はありますか?」妖精ベルーはそう言った。

ジェリーク少年はきっぱりと言い切った。「はい!」

ベルーはそれから番人に少し話して引き下がった。番人は丁重に笛をジェリークに渡した。その笛を腰に差した。

「若しかしたら、小人が邪魔をする可能性がある。気をつけろ!」番人はそういった。

「わかりました」

かくして、ジェリーク少年の冒険が始まる。

4 ジェリークの旅

ジェリーク少年は、その後、妖精と番人に東に行けと言われ、別れた。彼は歩いていると、人が強盗をしたり、欲を出したりして人をだます姿が数多く見えた。何とかしてでも助けたかったが、今は、石がどんどん黒くなる状態。危険だ。一刻の猶予もない。なので、思い直して我慢した。

それから、眠っている最中に夢に何度も母が出てきた。母は、いつも困っていた。ジェリークはやはり戻ろうかと何度も何度も思ったが、そのたびに指輪が指にきつくしばるので、やめておいた。

(きっと小人が夢を見させて、自分を帰らせようとしている、嘘だ)と自分に言い聞かせていた。

どんどん東へ歩いて行った。その間にも妖精が嘘をついているのではないかと思った。しかし、妖精のあの真剣な表情を思い出し、いや、これはやはり嘘ではないなと思うようにした。疑いの心はとてもよくない。ジェリークは気持ちを吹っ切り絶対に妖精を信じてやると自分を言い聞かせた。すると、目の前に大きな国があり、大きな門があった。ジェリークは中に入ると、3人の乞食を見た。

5 3人の乞食と国民に

3人の乞食を見つめながら、ジェリークは笛を取り出して、吹いた。乞食はずっとジェリークを見つめた。音楽に聴き惚れていたのだ。それからは、どんどんと人が増えていった。みんながみんな音楽を聴いていた。ジェリークは笛を丁寧にしまい、話を始めた。口が勝手に動き出したのだ。

ジェリークの話 1 老人の笑い

「とても年老いた老人がいた。彼はいつもにこにこと笑っていた。甥等に蹴飛ばされようが、食べ物をふっかけられようがいつも笑っていた。彼の笑顔は決して崩れない。老人の笑いは不思議と人を落ちつかせる。怒りっぽい人も、意地悪な人も、老人を見ると愉快そうに笑った。心の底から笑った。一緒に大声を出して笑った。多くの人がだんだんと集まり笑っていった。この村には笑いが絶えなかった。その話を聞いた多くの人が老人に会い、村人に会い、みんなで一つになって笑った。殺人鬼、強盗犯、傲慢な貴族までもがみんなで笑った。とうとう世界中の人が笑うようになった。そして、世界は平和になったのだ」

6 平和な話

ジェリークの話 2 少女は行動する

「薄汚い国がここにある。戦争ばかりで、貧しくなり、心もはいつもいつも暗かった。この世の終わりと思えるほどだったのだ。そこに1人の少女がいた。アフラーという名前の少女は、このままではいけないと考えていた。そして、『1人変わればみんな変わる』という言葉を信じて、いつも人にお礼を言った。お礼を言うこと、挨拶すること、笑うこと、楽しむことの大切さを気づいて貰いたいのだ。積極的に行動をした。すると、最初は信じることをしなかった者達までが、アフラーのおかげで、人を信じるようになり、みんながみんな幸せになることが出来た。アフラーは目的を達成をすることが出来たのだ」

ジェリークの話 3 男の子とメイド

「あるところに、とてつもなく大きな家があった。その家には男の子が住んでいた。彼は、自分は駄目だと絶望していた。なにも出来ない。勉強も、運動も、なにもかも。でも、メイドのアンは猛反対した。男の子の『存在』に、意味があるのだと。いつも励ました。男の子は、いつか人の役に立ちたいと考えた。そして、男の子は希望を持てた。」

7 美しい音

ジェリークの話 4 ある屋敷の話

「主人が亡くなってからというもの、ここの家では『幸せ』というものがなくなってしまった。奥さんも息子も嫁も娘も召使いまでもが、暗い顔をして家に閉じこもっていた。その様子を見た、この一家にお世話になっている音楽家の青年ペロは、何とかしなければならないと思った。彼はこの人達が大好きだ。みんな優しくて情け深い。なので、ペロは大木に腰をかけると美しい音を出す楽器を持ってだした」

「その音ってこの笛?」女の子が聞いてきた。

「いいや、全く違う。もっと、悲しい、でも楽しい音」物語に浸りきっていたジェリークは言った。

「その後、屋敷から人が出てきて、一緒になって泣いた。思い出に一緒になって浸った後、自分の人生を取り戻した。泣いたって始まらない。前へと家族は進んだ」

8 なくし物

ジェリークの話 5 少年の思い

「誰にも気にされずに過ごしていた、少年。この少年は自分というものを見て欲しかった。認めて欲しかった。病気になったら看病してくれる母親もおらず、褒めてくれる父親もいない。一緒に遊んでくれる友もいない。彼は、自分がいてよかったと思ってくれる人が欲しかった。なので、決意した。自分と同じ思いをしている人はいる。その人のために自分は尽くそう。そして、少年はその通り実行したのである」

ジェリークの話 6 王女は国を見た

「王女は自分の国を見て驚愕した。どの人達も皆、王、王妃、王女の悪口を言う。とてつもなく貧しい国なのだと、理解した。王女は何とかしなければならないと考えた。そして、自分の宝石類、ドレス、その他高価なものをすべて売りつけて、国民にそのお金をあげて、国民の暮らしを豊かにしたのである」

その時、ジェリークは自分の腰に触って驚愕した。顔は真っ青だった。――笛がない。だから、話が思いつかない。

9 笛がなくなり・・・・・

笛がなくなると、どんどん人もいなくなった。ジェリークは歯がみをした。後一話なのに。にが苦しい思いだった。

兎も角、小人がとったに間違いない。いつとられたのか? 一体どこに行けば良いのか? ジェリークは世界を終わらせたくはない。出来ることをやろうと考えて、小人が出てくると言われるいけに言ってみた。すると、直ぐ近くに、男が丸太に座っていたので、聞いてみた。

「小人を見かけた事ってあります?」

「自分は自分のことしか考えない。それと一緒。小人がいようがいまいが知るかよ」と、男は言い放つといなくなった。

ジェリークは少し唖然としたが、気を取り直し、池の水をくみに来た女に聞いてみた。すると、

「それを言ったところで私の利益にはならない」と冷たく言われた。

すると、老人が来たので、聞いてみた。そしたら、

「俺は酒を飲むのに必死だ。そんなこと気づくかよ!」

彼はこの人等の反応を見て、驚愕した。

10 真犯人を捕まえろ

あの3人に聞いた後もめげることなんか一度も無かった。とうとうジェリークは小人がいるのかいないのか、この目で確かめようと、考えた。

そして、何日も待ってある日突然、男が現れて、家に来るよう、ジェリークを誘った。ジェリークは断った。続いて、4,5才の女の子が来て色々言った。然し、ジェリークは石のように頑として動かなかった。それから、最後には女の子はジェリークをにらんでいなくなった。次には、老若男女が現れ、大勢でジェリークを動かそうとしたが、ジェリークは一ミリたりとも動かなかった。そして、12時になると、全員小人になって池に入った。ジェリークも入ったのは入ったが、小人はいなかった。

ジェリークは考えた。そして、やっと気づくことが出来た。

(アア、何故、気づかなかったのか? そう、四回目の話に、割り込んだ女の子が笛を取り上げた。今回も二回目に来た女の子が同一人物だ。小人だったんだ)

そうなりゃ、なにがなんでも笛を取ってやると思った。そして、女の子が出てくると、捕まえた。

11 作戦

女の子は、ジェリークをにらむと手をつかんだ。そして、とても強い力で放りなでげた。ジェリークはとても驚いた。女の子はジェリークをにらんだまま走った。ジェリークも追いかけた。2人は野を越え、山を越え、谷を越えた。夜になると女の子は家にはいった。その家は小さくてジェリークは入ることが出来ない。なので、入り口に立つ。次の日になると、また同じ事の繰り返し。ジェリークは焦った。どうにかしなければいけない。

夜になると、いつものように寝た。夢の中には、母が出てきた。

「ジェリーク、良いこと。女の子と勝負をしたって負けます。頭を使いなさい。相手は所詮小人。まず、いきなり追いかけるのを止めて、指輪を見なさい。すると、小人が好奇心にかられて近くに来ます。そこを狙って捕まえるのです! そして、笛を取り上げ、吹くのです! 時間はありません。直ぐにしなさい」

ジェリークは起きた。

12 真実の川

女の子はジェリークよりも遅く起き、家から出て逃げた。然し、ジェリークは指輪をじーぃと、見つめたままなにもしない。いつまでたってもジェリークが近づかなく、指輪を見つめる。女の子は、好奇心にかられそろりそろりと近づいた。その瞬間! ジェリークは女の子を捕まえた。そして、笛を奪い取り、吹き始めた。すると、視界が暗くなり気絶した――。

――目が覚めると、女の子は未だ倒れていた。真っ白なところだ。横には大きな木が連なっている。隣の木に、『真実の川』と書かれて、川があった。女の子は目が覚めると、川を見た。すると、水の中の女の子はとても醜くなった。今までした悪いことがうつり、川は濁った。女の子はあまりの醜さに悲鳴を上げて倒れた。ジェリークは川を見ると、川は綺麗になり、代わりにジェリークの美しさがうつった。川は純粋な美しさだ。ジェリークは驚いて、呆然とした。

13 決断

それから、ジェリークは女の子を放っておいて、川を泳いだ。向こう岸に着くと、ボートがアリ、それに乗った、ボートは勝手にゆっくりゆっくり動いた。そして、ある町に着いた。ボートから下りると、七話目の話をしようと、笛を取り出した。すると、又もや小人が来て邪魔をするためライオンになり、ジェリークを追いかけた。ジェリークは小人に石を投げた。そして、笛を吹くと、小人は近づけなかった。小人は怒った。そして、怒りに身を任せていった。

「良いだろう。アンタに贈り物をしてやる! 七話目の話をしたものは、どんな人でもその話が終わった直後に死ぬよ! ハハハ!」

呪いをかけていなくなった。小人は消えた。ジェリークは戸惑った。心は揺れ動いた。

(今ここで話さなければ、――戦争が起きる。一体如何したものか? でも、死にたくはない! せめて、母にあってから死にたい。よし! 決めたぞ!)

ジェリークのおもいは決まった。

最終話 世界は変わる

静かに、ユックリと笛を吹いた。すると、人達はだんだんだんだんと集まった。ジェリークは笛を下ろすと、ゆっくりゆっくりと七話目の話を話しだした。

ジェリークの話 7 人々の手本となる少年

「ある少年がいた。名前はトム。その子は、人々のために色々とした。喧嘩をしている夫婦がいたら、仲直りをさせ、泣いている人がいたら、慰め。自分の欲を出さずに、人を喜ばせていた。すると、いつの間にか、人から好かれるようになったのだ。本当に本当に幸せだった。人の心はすっきりする。少年トムを見た人は、少年トムのようになりたいと尊敬した」

ジェリークは、話が終わるとそのまま倒れてしまった。

世のため、人のために尽くそうとした少年は倒れた。呪いがきいてしまった。人々は、ジェリークの周りに集まった。ジェリークはしあせそうだった。自分の命を突きだしてまで、世界平和のことについて考えた少年の心に人々は心をうたれた。この子が、一生懸命してきたことを覆すことだなんて出来ない。そんなこと、して良いわけがない。

ジェリークの母は、ジェリークが死んだ後になくなった。

石は真っ白になった。妖精も、番人も、みんながみんな、ただ只管にジェリークに感謝した。彼がいなければ、この世はなかったかもしれない。ジェリークのいたおかげだ。『今』があるのは。たった一人の少年のおかげで世界平和は実現された。これは決して、夢物語のようなものじゃない。

この七話の話は今でも語り継がれている。この七話に出てくる、老人も、アフラーも、男の子も、メイドのアンも、ペロも、少年も、王女も、少年トムもジェリークと同じ立場なら、きっと出来ていただろう。

もしも、自分がこのような立場に立ったとき、あなたはジェリーク少年のようなこと――そう、我が身をさしだし、人のために尽くすことが出来るのだろうか?

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