独学の条件

わが家はホームスクーリングで、完全独学ですが、4人それぞれの教材をごらん頂ければわかるように、参考書を自分で読んで理解し、問題練習に取り組み、その結果を自分でフィードバックできなければ、独学は成り立ちません。つまり、「読み書き」の能力をしっかり育成しなければ成り立たないのです。逆に言うと、「読み書き」の能力を育成すれば、自力でどんどん学び吸収していくことが容易となってきます。与えられて学ぶより、自ら学ぶ方が効果が大きいことは言うまでもないでしょう。そうなると、同じ勉強をするにしても、学校で学ぶより独学の方が短い時間で進めていけます。

では、このような「読み書き」の力は、育成が困難なのでしょうか?

 

三女の激変

三女が小学1年生になった頃、ベネッセの通信講座『チャレンジ』をやっていて、泣き出しました。問題ができないというのです。よく聞いてみると、問題が解けないのではなく、問題の意味がわからないというのです。私は、早期教育には否定的で、教科学習をあわてるよりも、読み書きの礎づくりに注力した方がいいという考えなので、「わからなかったらむりにやらなくてもいいよ。いつか、わかるようになってからやったら?」と言ったのですが、三女はどうしても今やりたい、と言います。やりたくてもできないから、悲しいのです。

三女、1年生。『チャレンジ』に取り組む

 

上の3人は、1年生の頃、問題の意味がわからないなんてなかったです。長男は勉強嫌いだったけど、本はびっくりするぐらい読んでいました。長女、次女は、勉強大好き!といって、1年生ごろには、漢字も計算もどんどんやっていました。『チャレンジ』もスイスイとこなしていました。どうして三女はできないんだろう?

夫婦で話し合った結果、今さらながら気づいたことがあります。上の3人は、幼い頃から(0歳から)、たくさんの読み聞かせをしてきました。三女が幼い頃は、家庭の事情が変化したこともあり、読み聞かせをあまりしませんでした。「それだ!!(三女よ、ごめん!!)」。1年生の三女に、毎日毎日、たっぷりと読み聞かせを始めました。児童文学ではなく、昔話が中心です。三女はお話を楽しんで聞きました。

半年もたつと、明らかに変化が出てきました。問題が分かるようになり、自力で『チャレンジ』をやっていきます。1年ぐらいすると、自分で本を読むようになってきました。好きなものを読ませていましたが、できるだけ昔話をいっしょに読んだりしました。

2年たったころ、つまり3年生になると、あの分厚い『自由自在(3・4年生版)』を自力で読んで理解するようになりました。それ以降は、上の3人と同様の独学です。本を読むことはさらに進み、ヤングから大人向けの本(童話集、昔話集、民話集)をつぎつぎと読んでいます。6年生の現在は、早川文庫のアガサ・クリスティの推理小説を数十冊、ほかにもルパン、ハリーポッター、世界のジョーク集など、かなりの量を読んでいます。すると、勉強の理解度が読書量に比例するように向上してきました。勉強の進め方は、自分でも計画を立ててやっていくようになりつつあります。

 

長男の苦難

長男は、小学生の頃、勉強が嫌いでした。本を読むのは苦にならないようで、大人が読むような本でも平気で読んでいました。参考書、問題集、漢字の練習、計算など、大嫌い。そのへんは、本人が書いています。経緯は本人の弁にまかせるとして、親としては、「ホームスクーリングは失敗だったかな。学校へ行かせようかな」と悩んでいました。学校へ行けというと、長男は、絶対にイヤだ!と言います。だったら、自分で勉強しろよ、となるのですが、そもそも、どうして勉強しないといけないのでしょう? 勉強しないといけないから勉強する、というのは屁理屈です。子どもは納得しません。

ホームスクーリングだと、学校のような〈レール〉がないので、「なぜ勉強するのか」という哲学をもたなければ、何も始まらないのです。無理に勉強させるよりも、哲学を追究することに注力しました。親である私にも、答えはありません。いろんな本を読んだり考えを巡らせたりしながら、長男と対話を重ねました。そのうち、長男も、少しずつ、勉強する意義を見出してきたようで、中学1年生の途中あたりから、別人のように勉強し始めました。

ふつう、小学校でまるっきり勉強をさぼっていると、中学でとりかえすことは不可能に思えます。でも、長男は、中学の内容を習得していき、高校年齢では、勉強する内容や進捗を自分で考えて管理するようになっていきました。

これが可能であったのは、間違いなく、読み書きです。とくに0歳より、本のシャワーを浴び続け、小学生になる前から、自分でもたくさんの本を読むようになっていったことが、礎です。ここがなければ、長男は(勉強という面で)落ちこぼれだったでしょう。学校へ行っていても、勉強嫌いで落ちこぼれたでしょう。中学生以降は、勉強について心配したことはありません。高卒認定試験もとり、英検2級もとり、普通免許もとり、大学へ行こうと、社会へ出ようと、思うようにやってくれたらいいです。

 

長女と次女

長男と三女の間に、長女と次女がいます。この2人は、勉強について心配したことがありません。2人とも、幼い頃から、本のシャワーを浴び続け、小学生にもなると、大人顔負けの本を読むようになっていきました。早期教育に否定的な私ですが、2人とも、早い時期から進んだ勉強をやりたがりました。本人が望むのであれば、年齢的に早すぎることであっても、思うようにさせました。

4人とも、国語が一番よくできます。国語ができると、他の科目も心配ありません。思うようにやってくれればいいです。

4人とも、小学生の時から基礎英語を始めました。4人とも、英語は苦になりません。長男と長女は英検2級(長女は高1年齢で)をもっています。次女は中2で英検準2級に合格しました。英語学習も「読み書き」です。先生に習うことなく、何とかメソッドとかもなく、地道に王道です。基礎英語のダイアログを全部、暗唱し、何も見なくても書けるように練習する。その繰り返しです。トロイ遺跡を発見したシュリーマンは独学で数カ国語を修得したそうですが、その方法もひたすら読む(音読)ことだったそうです。