おとなでも効果があるのか?

じつは家族の中で一番本を読んでいないのは私です。
ただし、読書の中に、子どもたちへの「読み聞かせ」を含むのでしたらそうではないかもしれません。

ハルが赤ちゃんの頃から少なくともフユが2歳の頃まで10年間、毎日のように子どもたちに絵本や童話などの読み聞かせをしていました。同じ絵本を何度も暗記するほど読むのは苦痛なこともありましたが、新しいお話を読むたびに楽しんでいる自分もいました。フユが3歳過ぎた頃、家庭の事情で読み聞かせをすることが少なくなっていきました。

我が家はテレビはあまり見ません。禁止にしていませんが、自分が好きな番組を見る時にだけつけます。上の3人はすでに自分で本を読める年齢になっていましたが、読み聞かせをしなくなると子どもたちは自分で本を読む傍ら、アニメにも夢中になって夕方それらを見ることが日課になっていました。ただ幼い頃からひたすら読み聞かせをしたことでゲームをしてもテレビを見ても、ある程度のところで本にかえってきました。それは読書の楽しさが身についていたからだと思います。

フユが1年生の時、勉強がぜんぜんできないことに気づき愕然とします。フユは読書の楽しさが身につく前に、テレビや漫画に夢中になっていたのです。再び読み聞かせが始まりました。今度は絵本ではなく、昔話の読み物中心です。日本の有名な昔話はもちろんのこと、日本・世界各地の民話、伝説、神話など…、1年くらい続けるとフユが自分でも簡単な本は読むようになってぐんぐんと勉強もわかるようになっていきました。上の3人とは順序が逆になりましたが、読書の楽しみを知り、小学校高学年の今はハリー・ポッターや大人が読む小説など難しい本や分厚い本もたくさん読むようになりました。

ちなみにフユに昔話を読んでいた時、3年生のアキも一緒に楽しみにして聞いていました。大きくなっても自分で本を読めても読み聞かせは別物のようです。

またハルが小学生の頃、なかなか勉強ができない時期がありました。
「書き写し」の重要性はモモさんから聞いていても、実際にその効果はよくわかりません。子どもにだけ言ってやらせようとしても素直に続ける子ばかりでもありません。ハルはコツコツ毎日繰り返すことが苦手。それは私も同じ。子どもの尻をたたいてばかりいても埒が明かない場合、親が率先してそのことをしてみるしかありません。私も書き写しを一日一枚始めました。私の場合、原稿用紙800枚くらい書いたところで仕事が忙しくなり止めてしまったのですが、その頃にはハルの「書き写し」はしっかり習慣化されていました。

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私は幼い頃読み聞かせしてもらったことはほとんどありません。読書も嫌いではないし、自分が好きな分野なら苦にならずにそれなり読めます。
ただ、だからといって本の内容を理解できているのか、というと微妙でした。

とくに、実家にもあった『星の王子さま』。子どものころから何度か読もうと挑戦してみましたがぜんぜん読むことができませんでした。それが、結婚して子どもを産んで読み聞かせをしていたからなのか、読むことができるようになっていました。いつの間にか自然と。

大人になったから読めるようになった、というわけではありません。なぜなら今までならたぶん読めなかっただろう、文豪の本も、いまなら自然と楽しめるようになっているのがわかるからです。これこそ、たぶん「(昔話の)読み聞かせ」と「書き写し」の効果だと思うのです。

夏目漱石の『坊ちゃん』、アキがあらすじを教えてくれて、面白そうだと思ったフユが『書き写し』を始めました。私がその勉強をチェックしているため、自然と読むことになります。そこで『坊ちゃん』の面白さにようやく気がついたのです。

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