[本を書いた04]教科書の書き写しという超勉強法

本書のp.120で、「教科書を書き写す」という勉強方法を紹介しています。これは、「勉強の土台づくり」ではなく、「勉強方法」です。けれども、「書き写し」という土台づくりの延長上にあるので、「勉強の土台づくりと関連した勉強方法」みたいなハイブリッドです。

本書で紹介しているのは、主として高校の勉強としてです。こんなバカみたいに簡単な、お金のかからない方法が、えげつない効果につながるのです。どうしてそうなるかは、本書で「身体化」というキーワードで説明しています。そもそも教科書を読めない子でも、教科書を書き写すことならできますよね。親の学歴無関係、経済力無関係、住んでいる地域無関係に、さらに能力無関係です。

ところで、小学生の教科書は、イラストや囲み枠や吹き出しがてんこ盛りで、どこが本文かわかりにくく、どうやって書き写すのか?というご質問を頂きました。そこで、ナツとアキとフユが小学生になったつもりで小学生の教科書を書き写してみました。下記の写真はクリックすれば拡大表示されますので、細部の確認ができます。

最初に申し上げますが、教科書の書き写しに正解や正しい作法はありません。どこをどのように書き写してもかまいません。上手に書くこと、きれいに書くことが目的ではなく、理解することが目的なのですから。どのように書くか、ということに目が行きすぎると、目的を見失ってしまい、本末転倒になりかねませんので、ご注意を。

土台づくりは時間がかかりますが、「教科書の書き写し」は即効性があります。出題範囲が限定されたテストならすぐに点数があがるでしょう。日常的に継続していれば授業がよりよく理解できるようになり、点数、偏差値、順位などの数値が安定して上昇していくでしょう。

 

国語の教科書を書き写す(小学5年生の国語)

アキの書き写し。教科書の紙面を再現する感覚で。

同じページをナツが書き写し。文字だけ書きました。

 

写真の多いページをアキが書き写し。写真は書けないので文字だけ。

 

理科の教科書を書き写す(小学3年生の理科)

ナツが書き写し。子葉や葉の違いをイラストで再現。

 

ナツが書き写し。写真は無しにして、吹き出しや囲みはそのまま再現。

 

同じページをアキが書き写し。完全に文字のみ。

 

算数の教科書を書き写す(小学4年生の算数)

フユが書き写す。図は簡略化して再現。

 

ナツが書き写し。小学生になったつもりで。ノート見開きにおさまらないので次のページへ。

 

アキが書き写し。そろばんの絵を工夫しました。それ以外は簡素に。

同じページをフユが書き写し。そろばんの書き方はアキと違います。

 

子どもたちの感想

ナツのコメント

 教科書を書き写すと、見開き2ページの中に何度も繰り返し出てくる言葉があることに気づきます。たとえば理科のあるページなら「子葉」とか、国語のあるページなら「活動報告書」とかです。小学生だったら最初はその言葉を知らないかもしれません。それでも、書き写しているうちに段々わかるようになってきます。
黙読なら読み飛ばしてしまうようなコラムも、書き写しをすると隅々まで読むことになるのでさらに理解が深まります。その上何度も書き写した言葉は記憶に定着します。付け焼き刃ではない学力が身につき、テストの点も上がることが期待できると思います。

 

アキのコメント

 書き写しをする最中、「ここは、黙読してたら見落としたり、特に気にせず読み流したりしていたろうなあ」と思える部分がいくつかありました。書き写しをすると、教科書のすみずみまで見逃すことはなく、しかも、自分の手でじっくり書いていくので、記憶に残りやすいように思われました。
ノートの両面に教科書の内容を書き写しおわって、改めてそれを見ると、我ながらたいへん立派なように――まるで先生の話を上手にまとめたように――見えましたが、教科書をそのまま写したのだから、当然のことです。このように、書き写しは他の多くの勉強と比べて簡単ですが、それでもノートを見ると大層なことをやったように見えるので、結構やりがいがあります。勉強が分からなくても、苦手意識を感じないで続けられるのではないでしょうか。さすがに絵も枠も全て書き写していったときには疲れましたが、そこは、できる範囲で、必要なさそうなところははしょりながら、進めていったらいいと思います。

 

フユのコメント

 教科書の書き写しは楽しかったです。
そろばんの問題の書き写しをしていたら、実際にふたたびそろばんを使って計算をしたくなりました。

 

(続きは次のページへ)

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