アフターコロナ 15(人類のとりえ)

前回、「休校が長期化したとしても、共生が損なわれるものではありません」と書きました。人類にとって、お互いに協力し合うという社会のあり方は、圧倒的なとりえです。人間ひとりで比べるなら、他の生物をさしおいて、地球上でわがもの顔にふるまう力はありません。現在の人類は、70億人がネットワークをくんで、協力し合っています。コロナingによって協力関係が停滞しただけで、たいへんな事態となります。

そのへんの人類のあり方は、ユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史』で精緻に論じられています。

ところが、人類は、競争をしようとする面も持っています。競争は切磋琢磨による向上や発展にもつながるので、悪いことではありません。しかし、自分さえ良ければいいという競争は、健全な発展を阻害することになりがちで、ひどくエスカレートすると、戦争にもなります。世界的な問題となっている環境破壊、地球温暖化、格差、貧困、食糧やエネルギーを巡る争いなど、歪んだ競争が原因となっていると言っていいでしょう。

競争と共生は相反する面もあり、人類はどちらの面も持っています。自然と共生が進むという仕組みにはなっていません。仲の良い友だちと良い関係を結ぶことは容易ですが、世界中のすべての人びと70億人と共生するのは容易ではありません。そこには、深い学びが必要です。このような学びは、学校教育でもたらされるかというと、微妙です。学校教育で習う内容には、共生を促すものも多く含まれます。いっぽう、そうでない部分も多く含まれます。

共生を学ぶ方法には、さまざまな形がありますが、最も容易で、最も効果が大きいと思える方法は、昔話などの伝承文芸の多読、できれば文学や歴史の多読です。人類にとって共生は、はるかな昔、原始時代から模索され、つねに実践され、共生の枠組みが拡大されてきました。伝承文芸は、まさにその足跡なのです。そして、すぐれた古典文学も歴史も、その道程をたどることにほかなりません

このような学びは、休校中でも、何ら問題なくできます。むしろ、休校中であれば、なおのことやりやすいはずです。人類は、共生によって、最も力を発揮できます。であるなら、個人レベルでもそうだと考えられます。共生を学べば学ぶほど、個人の力が向上します。学力もそうでしょう。

 

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