大学受験13 昔話の構造2
前回、はなさかじいを題材にして、昔話の構造を調べてみました。
ももたろうの構造
今回はももたろうを使ってみます。ももたろうの話は誰でも知っていると思いますが、地域や語る人によって非常に多様なバリエーションがあります。おおむね、次のような形で説明できるでしょう。
前回と同じように、さらなる構造化をしてみます。
構造の共通
ちからたろうという昔話をご存知でしょうか? こんびたろうとか、あかたろうとか、いろんな呼び名があります。ご存じなければ、Wikipediaをごらん下さい。仲間は2人ですが、構造はももたろうと同じです。
さるかに合戦はご存知でしょうか? ご存じなければ、Wikipediaをごらん下さい。仲間は4人ですが、構造はももたろうと同じです。Wikipediaにもありますが、類話が世界中に分布しています。ブレーメンの音楽隊も同じ構造です。
これらは一見、同じ話には見えません。けれども、構造をみれば、骨格は同じなのです。
構造の大切さ
なぜ、こんなにも構造にこだわるかというと、人間の知性において構造がきわめて大切だからです。人間の思考は構造によってできています。感性や感情や情緒は構造ではありません。しかし、思考は構造です。論理、すなわちロジックは構造以外のなにものでもありません。
小中高の勉強はロジックです。感性で補う部分もありますが、ロジック抜きには勉強は成り立ちません。
小学3年生までは、目に見えるもの、身近なもの、直接経験可能なものを扱いますが、4年生からは、経験できない世界、経験できない時代、目に見えないもの、算数でも分数や小数など具体的に知覚しづらい概念がでてきます。4年生になると、抽象概念をこなせるかどうかで、じわじわ差がついてくるようです。
抽象概念とは、ロジックであり、その正体は構造です。参考書や問題集で抽象概念力を育成することは困難でしょう。逆に、抽象概念力があればこそ、参考書や問題集をこなしていけるのです。
昔話と勉強がつながってきました。続きは次回へ。