独学で大学受験 2 山の上のくらし

 

山の上で暮らし始めて、知らないことだらけ。都会で生まれ育って、田舎は別世界だ。同じ日本とは思えない。田舎だから素晴らしいとか、田舎だから遅れているとか、そのどちらでもない。文化が違うのだ。人が生きていく仕組みが違うのだ。こんなことは学校では習っていない。京大も教えてくれない。大学1回生~2回生にかけて、自転車で野宿旅行をしていた。とくに、2回生の夏休み、1カ月かけて、1人で、京都から九州へ、九州内をくまなく巡り、京都へ戻ってきた。複数人でツアーにでると仲間内でかたまるが、1人だと、行く先々でそこの人々と交流することになる。長距離を走ると、日本の国土はほとんどが田舎で、都会はごくわずかしかないことがわかる。そのときの経験がなければ、山の上の田舎での暮らしはできなかったかもしれない。若い頃の無茶な冒険は財産だと思う。

土方も、もちろん初体験だ。道具の名前も使い方もわからない。移植ごては使ったことがあるが、大きなスコップは使ったことがない。ノコギリや金づちを使ったのも、中学の技術の授業ぐらいだ。私はいちばん下っ端として働いた。田舎のおっちゃんもおばちゃんも、みんなが先生だ。理論はない。実践あるのみ。やがていろんなことがわかり、仕事ができるようになっていった。土方はおもしろい(ただし、まともに3Kだ)。農業のように土を動かす、コンクリートを打つ(橋、擁壁、土間など)、左官のようにコンクリートを仕上げる、大工のように建物をつくる、ブロックを積む、側溝を据える、けっこうオールマイティなのだ。創るものもばかでかい。あの国道は私の作品だ(私1人ではないけど)。土方の経験は、このあと生きることとなる。乞うご期待!

建設で必要な資格もいろいろ取得した。土木施工管理技士1級、宅建、甲種火薬類取扱保安責任者、採石業務管理者・・・。試験を受けて合格することは困難ではない。もちろん、一発で合格する。

童仙房に住んで、家庭教師というか、ミニ塾をやってくれと頼まれた。この地域の子が塾へ行くなら、片道1時間ほど自動車で走る。親の送り迎えも大変な負担だ。中高生が自力で塾へ通うことは不可能だ。私が学生時代には多数家庭教師をこなした。京大生にとっては定番のアルバイトだ。卒業した後も家庭教師をすることになるとは夢にも思わなかった。私は教員免許は取得していない。教師という仕事がいやなのではなくて、父親が教師なので同じ仕事をしたくなかったのだ。親と同じ職業につけば、なにかとアドバンテージができてしまう。それが気に入らない。

童仙房に住んで、中高生に勉強を教えた。田舎の子どもたちは、みんな素直でいい子だ。この子たちの人生に貢献したいと、強く願う。それでも、私の力が至らないことを思わざるを得ない。と同時に、幼少期の読書経験が不足していることが見える。学生時代に家庭教師をしていたときも同じことを感じた。幼少期の読書経験が豊かであれば、もっと伸びるだろうと思った。家庭教師の経験は、このあと生きることとなる。乞うご期待!

最初の3年は毎日土方に行ったが、その後は土方の仕事を減らした。かねてより関心のあった不登校という現象を学ぶ活動を始めた。地域の子にプラス、不登校の子の家庭教師なども手がけた。この経験は、このあと生きることとなる。乞うご期待!

4人の子どもたちの話をするつもりなのだが、子どもたちはまだ生まれない。その前に、そろそろ結婚の時が来たようだ。

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