独学で大学受験 33 茨の道
2020年9月から、第一子と第二子がほぼ同じ時期に受験勉強を始めた。2人とも完全ホームスクーリングであるだけでなく、かなり変則的である。
第一子は小学校の間、ほとんど勉強しなかった。小6から小学生の勉強を始め、中1の12月から中学生の勉強を始め、高1年齢の4月から高校の勉強を始め、理科基礎全部、社会全部を含め、ひととおり高3年齢の3月までに学習を終えた。それなりに理解しているとは思うが、定期テストもなにもないので、アバウトであいまいだろう。高3年齢の3月で勉強に区切りをつけて、そこから1年半、高校内容の勉強はせずに、仕事をしていた。1年半のブランクがある。
第二子は、中1まで順調に勉強してきたが、中1の12月ごろから高2年齢の8月まで、ほぼ勉強していない。中学の勉強はなんとかかんとか、そこそこまでやったようだが、高校の勉強は皆無だ。高校3年間を考えたとき、ちょうど中間地点から高校の勉強を開始することになる。
2人とも、難関国立大学志望だが、国立となると共通テストで全科目やらないといけない。現時点ではとうてい難関国立大学志望と公言できる状況ではない。
ただ、2人とも、強固な土台がある。大量の昔話の読み聞かせ、大量の読書、大量の書き写しだ。どんな高校生と比べても負けないだろう。これは大きな財産だ。受験において、生かせるかどうか。未知の領域だ。このような土台をもって、完全独学で、難関国立大学に合格した人はいないだろう。参考にできる事例が存在しない。道なき道を行くのみ。
常識的には、この2人の状況で1浪以内で志望校合格はあり得ないだろう。国立大学じたいが難しいだろう。
第二子は、受験勉強といったって、そもそも高校の勉強をイチから始めるのだ。高1の1学期からだ。現役合格するには、1年半の内に高校の勉強をイチからマスターして受験レベルに引き上げないといけない。どう考えても無理だ。1浪しても、2年半でチャレンジすることになる。現役高校生よりも短い期間だ。
ホームスクーリングから大学受験をするには、まず高卒認定試験に合格しないといけない。第一子は高卒1年目ですでに合格している。第二子は今年取得するべきだ。高卒認定対策も頭に入れておかないといけない。
2人とも、英検2級はもっている。2級と言えば、高校卒業程度だ。センター試験英語の6割ぐらいに相当するらしい。英語に関しては、そこそこのスタートラインには立っている。
幼い頃から、国語はよくできた。読み書きの強力な土台があるので、当たり前すぎるほど当たり前だ。
京大の二次試験は文系の場合、英語(長文和訳と英作文)、数学(5問)、国語(現代文2題、古文1題)、社会だが、最も難しいのは現代文だと思う。それ以外の英語、数学、社会、古文は、勉強すれば、まあできるようになる。現代文ははてしなく難しい。あれを高校生に要求するのは過酷だ。
うちの子なら、現代文以外は独学でやっていけるはずだ。誰からも指導をうけなくてもいい。現代文は困難かも知れない。独学のスキルを身につけるために、親が勉強を教えることは避けてきたが、現代文読解は指導が必要かもしれない。様子を見て考えよう。
第二子は高2年齢の夏に、高校の履修内容のイロハのイから始めた。とくに数学は「オイオイ (^_^;)\(・_・) 」という状態だ。
第一子は、高校内容の勉強は終えているはずだが、基礎がきっちり身についているとは思えない。半年で京大に合格するなどどだい無理な話なのだが、本人はその気らしい。
基礎をやり直した方がいいのではないかとアドバイスをしたが、「今、基礎をやっていたら京大の問題が解けない」と言って、京大対策の参考書・問題集をやろうとする。
私はアドバイスはするが、強引な指導はしない。あくまでも本人の意思を第一にする。受験の半年前に基礎を始めたら、そりゃ合格は無理だ。けれども、基礎をすっ飛ばして京大レベルに到達しようというのはもっと無理だ。でもまあいい。思うようにやってみな。
9月から、2人とも、模試を受けた。それはもう、ひどい成績だった。
模試は志望校の合格可能性を判定してくれる。どの予備校の模試でもたいがい5段階評価で、おおむね、A判定(80%以上)、B判定(60~80%未満)、C判定(40~60%未満)、D判定(20~40%未満)、E判定(20%未満)となっている。C判定で五分五分、A判定なら合格が期待でき、E判定なら受けても無駄、といったところ。よくいわれるが、京大はC判定でも合格は困難、A判定でもふつうに落ちる。
2人の判定はとうぜんE判定なのだが、それもはるかかなたにかすんでしまうようなE判定なのだ。当たり前すぎる結果なのだが。
模試の判定の仕組みは、40年前も同じだった。私は高3の5月から模試を受け始めたが、E判定は一度もない。5月に最初に受けた模試がD判定で、絶望に近いほど大きなショックを受けた。D判定はその1度きりだ。夏以降はC判定すらない。秋にはすべてA判定だった。
その感覚で見ると、第一子も第二子もどうにもならない。D判定ですらあれほどショックを受けた(今も覚えている)のに、E判定、それもはるかかなたのE判定だから、本気で合格を目指すつもりなら、再起不能なほど落ち込みそうだ。でも、第一子も第二子もケロッとしている。
ただ、中堅私立大学なら、第二子でもB判定がついた。英語と国語だけで受けられるなら、高校の勉強を始めたばかりの今でも合格できる力があるということか。
第一子は一部の国立大学でB判定だ。まあなんとか高校の勉強がものになっていないこともないようだ。ただ、京大を視野に入れるなら、基礎がぜんぜん足りていない。模試の成績で一目瞭然だった。
第二子は、某予備校の模試で、難関国立大学を志望校に書いたら、チューターさんに鼻先でせせら笑われたそうだ。そりゃそうだろう、誰が見てもそうだ。表情に出すのはいただけないが。それでも第二子はその場で言い返したそうだ。「ものすごい勢いで伸びるから大丈夫です」とな。ほぉ~~!