[本を書いた02]教育格差の克服は簡単
教育格差の正体
教育格差が生じる原因は、経済格差、地域格差、家庭間格差(親の学歴格差)が主なものです。
お金がたっぷりあって、大都市に住んでいて、親が高学歴という3点セットがそろっていれば、教育格差の上位層に入ることが格段に容易になります。
3点セットの1つが欠けると少し不利になり、2つが欠けるとかなり不利になり、3つとも欠けると絶望的なほど不利になります。
それは、本当でしょうか?
テレビが普及する前の時代には、3つとも欠けていても非常に高い教養・学力を身につける方が、それほど珍しくはありませんでした。苦学生と呼ばれていました。いつのまにやら、3つの格差の勝ち組でなければ教育格差の勝ち組になれないという状況が強まっています。そのいっぽう、学力低下が問題になっています。高い学力・教養を身につけることが困難になることと学力低下が同時進行しているのはなぜ?
教育が商業化されてきたことが原因ではないかと、私は考えています。
つまり、かつて3点セットなしに可能であった学び方が教育産業の強力な宣伝によって忘却され、困難な方法のみが道であると思い込まされてきたのではないかと。
そこで、実証
わが家は、ホームスクーリングという形なので、教育産業にとらわれることなく、本来のあるべき姿を追求できました。
それは、新奇なものではなく、かつては、ありふれた、普通のものでした。もちろん、お金もかからず、大都市であろうと田舎であろうと関係なく、親の学歴も関係ありません。
お金がかからず誰にでもできることには価値がないという思い込みが、つまりは商業主義なのです。商業主義にとらわれているかぎりは、永遠に教育格差を克服できないでしょうし、格差は拡大するいっぽうでしょう。
教育格差の克服に必要なことは、まずは、商業主義から解放されることだと確信しています。
本書で明らかにしたこと
その、あまりに簡単なことを、本書で説明しています。これは私の発明や発見ではなく、先人たちが築きあげてきたものです。皆様に公開すべきもので、私が囲い込むものではありません。
そして、このような学び方を積み上げて、子どもたちがどうなったか。体験談としてもまとめてあります。
教育格差の克服とは、皆が皆難関大学へ行くなどというゴールではありません。定員が決まっているので、そんなことができるはずはありません。自分の身のまわりでおきていることを理解し考え、よりよい人生を拓いていける力。世の中で起きていることを多面的に深く理解し、みずから社会へ参画していける力。そんなふうに考えれば良いと思います。
それは、とても大切な、素晴らしいことだと思うのですが、いかがでしょうか。
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