[本を書いた21]土台さえあれば
絶対ではない大学受験
2023年11月6日
わが家は4人の子どもたちが完全ホームスクーリングの完全独学でやってきたので、中学受験も高校受験も無縁でした。成績を受け取ったこともなく、だれかと比較したこともない。大学受験が初の受験経験。
大学受験を希望したのは子どもたちで、親は大学へ行けなんて言っていません。大学受験を志すなら模試を受けねばなりません。どの子も年間15回前後、有名予備校の模試を受けています。そこで初めて偏差値や順位や合格可能性判定に触れる。とうぜん、そういう数字が気になる。気にしないといけない。
親として伝えたこと。
何があっても他人を見下してはいけない。
劣等感もバカげている。
キミらは数字ではない。人間なんだ。
志望校に落ちたところでどうってことはない。
自分さえよければいいという考えは厳禁!
とても多くの人たちに支えられて自分があるということを忘れるな!
何事も謙虚に頑張れ!
親としての努力は土台づくりに集中
2023年11月7日
4人の子どもたち、完全独学の完全ホームスクーリングでやってきましたが、他人にホームスクーリングを勧めたことはありません。理由はあまりに難しいから。でもここ、ちょっと説明が必要。
実はわが家ではそれほど困難ではありませんでした。それは幼少期から強固な土台づくりをしたからです。土台と言っても早期教育とはまったく別ものです。すると学力も社会性もだいたい自動運転に近い。何もしなかったという意味ではありません。親としてそれなりの努力は必要。学校とは異質な努力です。
いじめ、他の保護者との確執、学校で起きるあらゆる問題、成績、受験、PTAなどは完全に無縁。そこはメチャクチャ楽でした。ただし全責任は親にあり。責任を負うことの難しさ、厳しさは学校の比ではありません。振り返ってみて、わが家では最高にうまくいった。その原点は完全独学の土台にあります。
いびつな意思確認
2023年11月8日
完全ホームスクーリングで育ってきた4人の子どもたち、その過程において、ホームスクーリング失敗かなと思い、学校へ行くことを促したこともあります。そのつど、子どもたちは拒否。
このたび書いた本の中に子どもたちのコメントが多数あります。親との打ち合わせや校閲なしの完全ネイティブなコメントです。子どもたちの思いを初めて知ったという部分も多々あります。学校への興味もあったがホームスクーリングでよかったとそれぞれが言っています。不安なしとも言っています。
ホームスクーリングは子どもの意志かどうかって大事ですし、よく問われます。子どもが学校へ行きたいと言ったら行かせていましたがそうはなりませんでした。そこで疑問。学校へ行きたいかと子どもに意思確認はしないんだよね。学校は意志不要、学校外は意志必要。尊重しているのは子どもでなく学校?
土台づくりなんて見向きもされないんだよね
2023年11月9日
独学の土台づくりという考え方は近年は見向きもされません。数十年前にはそうではなかったんですけどね。私の独創ではありません。効率的にいこうとするあまり、大きな効果を逃していると見えます。
1981年に書かれベストセラーとなった『見える学力、見えない学力』の「見えない学力」が「独学の土台づくり」とだいたい近いです。読み聞かせ、読書、書き写しなんか強く推していますしね。独学の土台があれば、どんな環境でもどんな条件でも、学校であろうが在宅であろうが自ら学んでいけます。
土台づくりなんてまどろっこしいものが見向きもされなくなった原因は新自由主義でしょう。中曽根政権以降、新自由主義がどんどん導入されていき、教育が歪んできた。とうぜん、不登校も増加する。カネがすべてという非人間的な価値観が席巻する世の中が良いはずはない。わが家はアンチテーゼです。
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