[HS12]学習マンガ
著書の執筆中、編集者さんから学習マンガについて書いてはどうかと強く求められました。著書の主題は「独学の力をつけること」なので、学習マンガは無関係です。独学で勉強を進めていく際に役に立ったかどうか、ですが、私自身ためらいがあり、子どもたちに意見を求めると、速攻でNGでした。「娯楽としては学習マンガは楽しめるけど、勉強としては無理」とのことです。まあ、そうでしょうね。網羅的でなく体系的でもない(つまり雑学的)ということでしょうね。で、記述は見送りました。
子どもたちが3歳~小学低学年あたりで、集英社の『世界の伝記』シリーズが大好きでした。南山城村の図書室にも多数あり、何度も借りて帰るので、全部購入しました。家にあると、何度も何度も繰り返して読んでいました。伝記マンガは他社も出しており、多数購入しました。私が子どものころは、伝記は読み物であって、マンガなんかありませんでした。今の子たちはいいですね。
歴史のマンガ、文学作品、古典文学のマンガ、自然科学のマンガ、算数のマンガ、雑学のマンガなど、数百冊を購入しました。どれもこれもよくできていると思います。(出版社によっては???なものもありますが)
子どもたちはものすごい量の学習マンガを読んできました。そんなに楽しんだのに、勉強としての評価はじつに低い。学習マンガをいくら読んだって、勉強がわかるようにもできるようにもならないよ、とのことです。
小中高の教科学習は、基礎をだんだんと積み上げて理解していきます。つまみ食いのような方法で理解を深めることはできないでしょう。マンガで勉強を代替することは難しいだろうと、私も思います。
私が子どもたちに多数の学習マンガを買ったのは、勉強を期待してではありませんでした。もし、勉強を期待して学習マンガを与えたのなら、子どもたちが完全独学で国立大学へ合格できるほど学力を付けることはなかったでしょう。今ふりかえってもそう思います。
では、学習マンガは読んでもダメなのか、無意味なのか、というと、そんなことはありません。学習マンガを読めば勉強になると期待せず、「楽しいから読む」でいいではないですか。教科学習は理解と反復が王道です。昔ながらの方法が今も有効で、なおかつそれが最強です。王道を歩みつつ、学習マンガ「も」読んでみれば、多少なりとも勉強が楽しいと感じられるかもしれません。