[HS18]私の子ども時代の勉強体験
著書には、子どもたちに様々な機会提供をしてきたと書きました。私が子ども時代にしてきたこと(親がしてくれたこと)を再現しているわけではありません。私は公立小中高に行っていたので、学校が様々な機会を提供してくれたのであって、親は学校まかせでした。(あらためて学校教育は素晴らしいと思います)
私が小学生のころは参考書も問題集も使っていなかったと思います。学校の授業と宿題ぐらいです。本はたくさん読みました。中学生のころは参考書はなかったと思いますが、定期テスト対策に問題集を各科目1冊ずつ使っていました。高校受験時、問題集をやっていました。高校では2~3年にかけて進研ゼミをやっていました。他社と比べて進研ゼミを選びましたが、添削そのものは簡単すぎ。添削以外の情報が充実していたので満足です。今ならインターネットがあるので不要でしょうが。参考書は高校で指定されたもののみ。2年秋以降は受験用の参考書、問題集も。
私は高校卒業まで千里ニュータウンの団地に住んでいました。とても狭い空間に5人家族だったので、本はごく少数。勉強道具・教材もわずかしか置けません。そんな環境でやりくりしていました。幼いころから図鑑はありましたし、好きでよく見ていました。家族でのお出かけは近くのショッピングセンターぐらいです。
小学4年生のとき、夏休みに祖父母の家で見かけた『数のふしぎ・形のなぞ』という名著に感動して数学大好き・数学超得意になり、大学入試でも数学が牽引して現役合格が叶いました。これに相当するレベルの算数の読み物はないですね。ずいぶんさがしましたが、見つかりません。
私の父がしてくれたこと、教えてくれたことで、私の子どもたちに引き継いだのは、昔話の読み聞かせと書き写しと読書です。独学の力3点セットの原型です。これがあったからこそ、今日の私がありますし、子どもたちがあります。他のことは何も要りません。この3点で十分です。これを教えてくれた父に感謝しています。
私の子どもたちはホームスクーリングなので、学校で経験すること、学校が与えてくれることが完全欠落しています。それを補おうと、一生懸命考えて、努力しました。
学校の授業がないので、独学するためには、参考書や問題集が不可欠ですし、子どもたちにふさわしいもの、使いやすいものを吟味しなければいけません。親が一方的に与えては独学がうまくいかないでしょう。子どもたちといっしょに考えました。
図鑑は絶対の定番です。私が子ども時代に楽しんだからではなく、そんな経験とは関係なく、絶対に絶対に不可欠です。コンプリートセットをそろえた上で、どう読むか、どう接するかは子どもにまかせていました。親が何も知らず何も言わなくても、日常的にけっこう見ていたようです。それならじゅうぶんに元を取ってあまたのお釣りが来ます。
『数のふしぎ・形のなぞ』レベルの名著はなくとも、算数・数学の読み物や図鑑は多数買いました。そのうちの1つが『算数の探険』(全10巻)です。4人の子どもたち、小学生の勉強のしめくくりにこれを通読しました。よくできています。
漢字練習、計算シートは小学校に行っていれば皆がするでしょう。わが家でも習慣化するよう取り組みました。
遺跡、博物館、動物園、水族館、科学館、関西の有名な観光地に家族で頻繁にお出かけしました。小中学校では遠足などで行くでしょう。わが家では高頻度でした。私は子ども時代には遠足以外ではほとんど行っていません。教科学習ではありませんが、広い意味での勉強です。学校に行っていれば、塾、部活、宿題、定期試験、受験などでこんなマネはできないでしょう。ホームスクーリングならではです。
著書で書きましたが、わが家のホームスクーリングのきっかけは地元の小学校の廃校です。第一子が小学生になる1年前のことです。どういう教育がいいか、夫婦で一生懸命考えました。廃校と同時に、京都大学教育学部が童仙房で地域と協定を締結して生涯学習活動を進めていこうという活動の立ち上げに尽力しました。生活クラブ生協大阪のセカンドスクール活動の立ち上げにも尽力しました。積水化学グループのCSR(森林保全)活動の立ち上げにも尽力しました。子どもたちのホームスクーリングにおける学びの機会提供という思惑が強くありました。子どもたちはほとんどフル参加です。私の子ども時代にはもちろんこのようなものはありません。非常に多彩な大人・子どもたちとご一緒させていただき、私の子どもたちにもどれほどよい経験になったか、計り知れません。
ホームスクーリングにおいて子どもたちに提供した機会は私の子ども時代になかったものばかりです。モデルは私の子ども時代ではなく、むしろ学校教育です。