[HS20]高校か高認か
小中学校は義務教育なので、1日も学校へ行かずとも、地元校に在籍のうえ、卒業証書をいただけます。高校はそうではありません。どこかの高校に入学し、在籍したうえで所定の課程を修めなければ卒業認定されません。完全ホームスクーリングだと、おのずから学歴は中卒になります。
私がホームスクーリングを他人へ勧めない理由はいくつかありますが、その1つが、社会へ出るときの困難さです。中卒学歴で世に出ることはできますが、職業の選択肢は狭くなります。仕事ができないとか、生きていけないということはなく、選択肢の狭さが問題なのです。わが家では時間をかけて研究してきました。
問題なのは、学歴ではなく、学力なのです。学力といっても、試験で測れる学力なら学歴と相関するでしょう。そうではなく、数字で測れない広い学力です。
意志、意欲、向上心、抽象概念力、表現力、共生力、協働力、構成力、構造力、俯瞰力、行動力、修正力、自省力、自制力、自律力、などなど。
広い学力をいかに育成できるか、究極はここです。
それでも、学歴がないとできない仕事もあります。子どもたちがそれを望むなら、学校へ行くべきです。広い学力は、学校では身につけにくい。ホームスクーリングの方が有利ということはありません。やり方次第です。わが家では独学の力を育ててきたので、広い学力に圧倒的に有利です。ホームスクーリングだから有利なのではなく、独学の力を育ててきたからこそ有利なのです。
不登校から高校進学へ道が広がっています。不登校に対応した全日制の高校、通信制高校など、多様化しています。わが家は不登校ではありませんが、通信制高校へ入学する選択肢はもちろんありました。その前に、「高校に行きたいなら中学校へ行っておかないと選択肢が狭くなるぞ」と子どもたちに言い続けており、中学校へ通うことも選択肢でしたが、子どもたちは「高校へは行かない」と言っていました。高校学歴に魅力は無い、高校の学習内容なら独学でもっとより良くできる、という自負があったようです。
広い学力を身につけることで、社会へ出てからの選択肢は必ずしも狭くなるわけではない。ある意味、学校ルートよりも広がる可能性すらあります。
資格試験などで高卒資格が必要になるときに備えて高卒認定は受けておきました。高認をとって大学受験をするというルートは当初は想定していませんでした。広い学力をさらに磨くには、大学進学もいいですね。小中高では広い学力を身につけることはなかなか困難です。高卒→大学ルートより、高認→大学ルートの方がはるかに得られるものが多いです。ただしそれは、独学の力を育成してはじめて言えることですが。