独学で勉強するために 7(読書3)

昔話などの口承文芸をモデリングすることが、非常に有効である、ということを前回お話ししましたが、モデリングの対象としてふさわしい昔話(など)をあげてみます。一次資料は除き、再話のみ、取り上げました。下記はすべて私の所蔵ですが、絶版になっていて書店で入手できない本が大部分です。しかし、図書館に行けば大丈夫。私の所蔵なんかより、はるかにたくさんあるはずです。(これらはみな、わが国の宝なので、復刊して頂きたいところなのですが)

 

まず、昔話について知りたい方は、たとえば、下記のような本が良いと思います。他にも非常にたくさんありますが、ここが主題ではないので、8冊でとどめておきます。

 

それでは、日本の昔話から。下記は、小澤俊夫さんが手がけた、または監修されているもので、すべて、すばらしい作品です。圧倒的に、第一に、おすすめです。福音館書店の『日本の昔話』(全5巻)、小峰書店の『語りつぎたい 日本の昔話』(全7巻)、小澤昔ばなし研究所の『子どもに贈る昔ばなし』(刊行中、一部絶版)。

 

 

小澤俊夫さん以外の方も、良い仕事をされています。とてもポピュラーな未来社の『日本の民話』(全38巻)。かつて、「まんが日本昔話」でも多く依拠されていました。

 

 

新潮社の『新百選 日本むかしばなし』、三省堂の『日本昔話百選』、ぎょうせいの『日本の民話』(全12巻)。

 

 

日本放送出版協会の『日本の昔話』(全15巻)。全国を網羅せず、昔話の多い地域に特化。古い本。

 

 

角川書店の『日本の民話』。地域別が多い中で、このシリーズはテーマ別。

 

 

昔、小学校の図書室に必ずあったような本。偕成社の『民話と伝説』シリーズと、偕成社の『ふるさとの民話』シリーズ。

 

 

文庫でもいろいろあります。柳田国男、関敬吾、高木敏雄は昔話・伝説の大御所です。松谷みよ子『昔話十二か月』は読みごたえあります。

 

 

その他、単行本で、ある地域、あるテーマで昔話や伝説をまとめた本も、非常にたくさんあります。

 

 

「読みきかせ・ストーリーテリングに最適!!」と帯にあるように、小学校低学年ぐらいの子に読んであげるのによい話がいっぱいです。実業之日本社の『世界の民話』『日本の民話』。

 

 

ここからは、世界の昔話と伝説です。筆頭にこのシリーズをあげなければいけません。ぎょうせいの『世界の民話』(全37巻)。日本では、ヨーロッパの昔話・伝説が多く紹介され、「世界」が偏っています。このシリーズは、世界に普く、私たちに馴染みの薄い東欧、中東、アフリカ、オセアニア、モンゴル等、あらゆる地域が網羅されています。聞いたことのないような話もいっぱいあります。

 

 

大日本絵画の『アジアの民話』(全12巻)。ぎょうせいの『世界のメルヒェン図書館』(全12巻)。ともに、ややマイナーなシリーズかも。

 

 

単行本で個別の神話・伝説・昔話は非常に多いです。

 

 

グリム、ペロー、イソップ、ジャータカなど。グリムは改編されたものに要注意。本物の見分け方は、白雪姫が3回殺される(ひも、櫛、りんご)ことと、はいかぶり(シンデレラ)が3回宮殿へ行くこと。はいかぶり(シンデレラ)の本物には、魔法使いもかぼちゃの馬車も出てきません。

*ペローとイソップは昔話ではありませんが、昔話のようなお話です。

 

 

文庫にも多数あります。ギリシャ神話、ケルト神話もおさえておきたいです。

 

 

マザーグースもぜひ。

 

 

次回へつづく。

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